散財の証明:ThinkPad T40
わたしの散財オブザイヤー2003、栄えある第1位はダントツでIBM ThinkPad T40だ。

わたしは物欲に正直な人間であった。今でも完治はしていないが、以前はもっとひどかった。欲しいものは手当たりしだいに買い、金に詰まると中古でたたき売ってさらに買うという、いわばモバイル過食症に冒されていた。
こうした過去の経験ゆえ、いまでは「あたらしいパソコンを買うときは、前回の購入から18か月の期間をおくこと」という、ムーアの法則ばりのマイルールを設定している。
ところが今年の夏、ちょっとした不注意で使っていたノートPCをこわしてしまった。買ってからまだ1年たってないというのにだ。それより前に使っていたものを代役にしてなんとか乗り切ろうとしたものの、あたらしいPCを前提に使いみちをひろげてしていたので、いまとなっては非力であって、さまざまに悪い影響が出た。
ここで、かねてからグラっと来ていたThinkPad T40に後光が差した。かに見えた。そのときT40は、持ち運ぶ気になるノートPCのなかで望みうるもっともパワフルなものだったからだ。
CPUはノート用としてもっとも速く、メモリはゲップが出るほど搭載できて、画面は冗談のように広く、必要とあらばDVDなりHDDなりのセカンドドライブが内蔵できる。こんなパソコンがいま手元にあったらなんとすばらしいことだろう、こんなにイライラしないですむのに。
こわれたパソコンがいつ修理から帰ってくるかもわからないといったなか、こういう妄想がグワッと広がり、緊急事態であるからとせっかく決めたマイルールすら脳内無視。我に返った時には、すでに発注ボタンを押していた。
結果的には購入タイミングもさほど悪くなく、使いごこちも充分であり、えらく満足した。唯一残念なのは、マイルールのつじつま合わせのために、先代とT40を合わせて3年間使うことにしたことぐらいだ。これはまったくもって個人の都合であるけれども。
権利には責任がつきまとうのだからいたしかたない。自制することは大事なことだ。
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