【モバイル談義】「最強のサブノート」は存在するか
結論からいえば、存在しない。
正確にいえば、多数決では「最強のサブノート」は決まらないし、決める意味もない。だから、みんなが納得できる「最強のサブノート」は存在しない、ということだ。
サブノートとは、ノートパソコンがそなえているべき機能や特徴のいくつかをあきらめるかわりに、小型・薄型・軽量化、あるいは電池駆動時間や野外での画面視認性などの点ですぐれるノートパソコンのことだ。
この定義から、どのサブノートも、サブノートでないノートパソコンほどひろく受け入れられることはない。サブノートになるために削った「何か」を、必要としているひとがかならずいるからだ。
サブノートのほとんどがまっさきに削るのは、CDやDVDといった光学ドライブだ。これだけでも、サブノートをパソコンとして使おうとした「ふつうのひと」はつまづいてしまう。ソフトのインストールができないし、CDがきけないし、DVDをみることもできない。外付けドライブを買えばいいじゃないかと、パソコンになれた身としてはおもう。けれど、それもなかなか思うにまかせない。
たとえば、「せっかく買うなら、ケーブル一本つなぐだけでCDもDVDも読んだり書いたりできる外付けドライブが欲しい。せっかくのノートパソコンなんだから、外でも使いたいし」と、ふつうは考えるとおもう。パソコンでDVDというのは、いまや常識だ。
しかし、こんな「ふつうの」条件にあてはまる製品は、いまのところない。ごついACアダプタが必要なものばかりだ。小さいものは電池が必要だったり、電源がないときはCDが焼けなかったりする。
あとでドライブを追加したら、はじめからついてるものよりも場所をとって、PCケーブルやACアダプタなどがジャマで、機能もおとるし、それよりなにより高くつく。これだけで「ふつうのひと」がサブノートをさける理由としては十分だ。
まあ、あるていどパソコンにくわしい人なら、光学ドライブの問題というのはたいしたことはない。しかしそれ以外にも、ディスプレイ、キーボード、サウンド、性能、外部インタフェースなど、リストラ対象はかぎりがない。くわえて、堅牢性、バッテリ駆動時間など、強化しなければならない項目もある。どこを削って、どこを残すか。汎用品というくくりから足を踏み出してしまったサブノートでは、だれもが納得できるカタチはありえないのだ。
昨年末に、SONYがVAIO X505というノートパソコンを出した。これは、いままでの10インチクラスのサブノートとしては、薄さと軽さの面ではずば抜けている。しかしその評判は、ヘビーモバイラー達のあいだですら芳しくない。価格がいささか高いということもあるだろうけれど、その薄さと軽さを得るために削った「何か」があまりに大きすぎて、ほとんどの人に受け入れられなかったのだ。
X505ほど極端ではないにせよ、使い手をえらんでしまうのがサブノートの宿命だ。ただ、これは「それぞれの個人にとって最強のサブノート」が存在しないといっているわけではない。パソコンの使い方があるていど決まってくれば、おのずと必要な機能もわかってくる。そうなれば、それに沿ってそぎ落とす機能を決められるからだ。
パソコン市場が成熟して、標準化がすすみ、進歩がゆるやかになってくるころには、「じぶんだけの最強サブノート」をフルカスタマイズで作ってくれるサービスが登場するんじゃないだろうか。
もしそれが実現したとして、お値段のほうはX505どころの話じゃないだろうけれど。
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