2004.05.24

デジタルブック先取り計画【管理・加工編】

すっかり間が空いてしまったが、専用ビューアのΣBookも入手して、デジタルブック先取り計画も大詰めだ。今回はスキャンし終わった画像データをいかに扱いやすいカタチに整えておくかについて取り扱いたい。

最終的にはつぎのようなファイル群にまで落とし込む。

  • 原本画像ファイル

  • 調整済画像ファイル

  • 抽出図表ファイル

  • インデックスファイル

  • テキストファイル

  • 統合電子文書(PDF、HTML、Word等)

  • 独自形式ファイル(Σbook形式等)

  • ただ、これらすべてを作ることはほとんどなく、カンペキに仕上げるのはよっぽど気に入ったものか、どうしても必要なものだけだ。テキスト・統合文書を作るには、スキャンする手間の数倍から10倍以上の労力が必要になるからだ。たいていは目次をベースにしたインデックスファイルの作成と画像調整までしかやらない。それで大体は用が足りるし、それ以上のものが必要になったら、そのとき作業すればいい。そう割り切ることにしてる。

    以下、それぞれのファイル・形式について補足する。

    ・原本画像ファイル
    スキャンしたままのファイル。あとで再加工したい場合に再度スキャンするのは大変に面倒なので、ちょっとジャマだが保管しておく。

    ・調整済画像ファイル
    原本画像ファイルの余白部分を除くためにトリミングしたり、読みやすいように濃度調整などをおこなったもの。ファイル名もページ番号に対応した連番にしておくとエクスプローラ等で開くときにわかりやすいし、のちほどインデックスファイルを作成するときもラク。

    ・抽出図表ファイル
    挿絵、表、図など、文章以外の要素だけを抜き出したもの。これらだけを利用したい場合があるので、必要に応じて切り出す。表はエクセルにしておくとあとで扱いやすい。一度にやろうとするとたいへんだから、必要になったところから切り出していくといい。

    ・インデックスファイル
    画像ファイルへのリンクを張れる形式でつくった、リンク一覧文書。わたしの場合はタグジャンプが使えるエディタのテキスト形式を利用しているが、Word・Excel、HTMLでも同様のことができるだろう。この作業、pdfのように自分でタグ付けする必要がある場合はすこぶる面倒なのだが、テキストベースの形式なら目次をOCRしてちょっと手直しするだけでできあがりだ。
    目次をベースにしてインデックスファイルを作ればかなり読みやすくなる。裏を返せば、ここまで済ませておかないとせっかくスキャンしたデータが活用できないということでもある。

    ・テキストファイル
    書籍の文章部分をすべてテキストに変換したもの。かなりの手間がかかるが、全文検索したいとか、引用したい場合は致し方ない。OCRでの変換をベースに校正し、ダメな部分は手打ちする。このへんの詳しいところはテキスト化・OCR編を参照してほしい。
    まあけっこうな手間なので、一度に全部やるのはあきらめて必要な部分だけちょこちょこテキストに落としていくのが現実的だ。

    ・統合電子文書(PDF、Word、HTML等)
    なにやら物々しい名前をつけてしまったが、要は「画像・テキスト混じり文書」として組み上げなおしたもの。もともと画像だけだった書籍データを、汎用のフォーマット・汎用のアプリケーションだけで快適に読めるようにするのはけっこう大変だ。いわば出版社がやっている版組のやりなおしなのだから、当然といえば当然だが。
    画像から直接WordやPDFを出力する機能のあるソフトもあるが、インデックスはないしOCRはボロボロだし、正直言って使用に耐えない。いくらかでもましなものを作ろうと思うなら、かなりの手作業を覚悟しなければならない。

    ・独自形式ファイル(Σbook形式等)
    PDAや独自デバイスで読むために専用形式に変換したもの。これまで作った画像ファイルやテキストファイルをベースに変換する。


    次はいよいよ最終回だが、こうした変換と閲覧に使うハードおよびソフトについてまとめる予定だ。

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    2004.02.07

    テキスト化・OCR編【デジタルブック先取り計画】

    スキャンし終わった冊子は、人間が読むぶんには画像のままでも大してこまらない。ただし、そのままではコンピュータ上で検索したり引用したりすることはできない。そうした取りあつかいをしたい場合、なんらかの方法でテキストデータへと変換する必要がある。
    そのための道具として使えるのが、OCR(光学式文字読み取り)ソフトだ。

    スキャナ付属のOCRソフトを使った人のなかには、あまりの認識精度の悪さにがっかりし、パソコンではOCR機能は使えないものとあきらめてしまう人もいる。しかしいくつかのポイントを押さえ、使いどころを間違わなければ、かなり有効な道具になる。
    個人がパソコンで使えるレベルのOCRソフトもずいぶん性能がよくなって、用途と使い方によってはかなり「使える」ようになった。OCRソフトの文字認識エンジンはどうやら数社のOEM元の独占状態らしく、それらの質がよくなってきたというのが本当のところらしいが。

    いまわたしが使っているのは、松下が出している読取革命(→amazon)というソフトだ。これは文字を認識する部分についてはかなりの精度であって、条件をととのえてあげさえすれば、A4文書1ページにつき数文字の誤認識ですむぐらいになる。おそらく他社製ソフトでも似たようなものだろうが、多少の違いはあるかもしれない。
    ここではこのソフト(読取革命)を前提に話をすすめる。

  • 可能なかぎり解像度の高い画像データを用意する

  • レイアウト枠の設定は手動で行う

  • 画像に対して事前に傾き補正・ノイズ除去などの前処理を行う

  • 画像を加工して認識の障害となる飾り枠といった装飾をとりのぞく

  • 入力画像の解像度は、高ければ高いほど誤認識がすくなくなる。解像度を上げることによってファイルサイズが大きくなったりスキャンに時間がかかったとしても、誤字をさがして手作業で修正する手間を考えたら安いものだ。できることなら400dpi以上がよいが、300dpiでもかなりちがう。200dpiではすこしきびしい。

    レイアウト枠の設定はぜひ手動でやるべきだ。自動認識では、よほど単調なものでないかぎりはひどいできあがりになってしまう。文字の認識そのものはかなりの精度でできるのがいまのOCRソフトだ。レイアウト指定さえしっかりされていれば、全体的な結果のしあがりがかなりよくなる。

    画像の補正や修正は、認識率をたかめるためには必須だ。とくに目次やリストなどでは重要になる。読取革命(おそらく他のOCRソフトも)では認識中の文書の状態をひとつのファイルに保存しておけるため、スキャンした生の画像データとOCR用の修正画像はべつべつに管理できる。必要であれば積極的に手を入れるべきだ。

    ただ、いまのところ対応しようがない弱点もいくつかあるある。

  • 標準的でないフォント、デザイン文字を使っているもの

  • ふりがなや強調線、ページ下の注釈など、本文以外の文字が多く含まれるもの

  • 網がけや画像が本文と重なっているもの

  • レイアウトが複雑なもの

  • 全体的に、得意なところ(文字認識)はとことん得意だが、苦手なところ(レイアウト認識、標準以外のフォント、図版との組み合わせ)もはっきりしている。文書の傾向を確認して、OCRソフトが使える文書かどうかか判断すべきだろう。

    これらのことから、いまのOCRソフトは次のように使い分けができる。

  • かなりの誤認識を覚悟して、全自動でOCRしてしまう

  • レイアウト指定を手動でおこない、その後は自動でOCRする。

  • レイアウト指定してOCR認識後、手動で誤認識を直す

  • あとの方ほど正確なテキストが得られるが、手間のかかりかたもハンパではない。それでもすべて手で入力するよりは圧倒的に、それこそ10倍以上はやい。500ページをこえる本を何冊か手入力したことがあるわたしがいうのだから、それは間違いない。
    そしてなにより、いちど取り込んでしまったら作業は途中で止めていてもよい(OCR処理すらかけなくてよい)し、必要になるまでほおっておける。そうしておいても、つねにパソコンとともに手元にあることにはかわりがない。

    物質的には手元にないけれど、でもたしかにここにあるという感覚。デジタルの本とは、きっとそういうものだと思う。

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    2004.01.27

    スキャニング編:デジタルブック先取り計画

    デジタルブック先取り計画も3回目をむかえ、ここでいよいよ画像への変換をするスキャナの出番となる。前回の書籍解体編で紙束とした本を、ここで一気にデジタル画像へと変換するのだ。

    大量の紙をスキャンするにはオートシートフィーダ(ADF)が必須、というのは初回の概要編で述べたとおりだ。速度的な問題もあるが、人手で用紙を交換していたら他のことはできないし疲れるしミスするしと、いいことがない。こうしたルーチンワークはなるべくキカイにまかせたい。
    具体的な機種としては、富士通ScanSnap fi-4110EOX3→Amazon)を強くおすすめする。おなじADF付きといっても、このfi-4110EOX3のようなタイプとフラットヘッドタイプとでは使い勝手にかなり差があるからだ。これについては後でくわしく述べる。

    いくら自動給紙でラクできるとはいっても、いくつか気を付けなければならない点は残っている。

  • ダブルフィード(複数ページの吸い込み)によるスキャン漏れ

  • 用紙のセット方向

  • 保存ファイル形式と画質

  • ゴミ付着が原因の縦線ノイズ発生(fi-4110EOX3と同タイプのみ)

  • 用紙サイズの検出ミス(fi-4110EOX3と同タイプのみ)

  • 奇数ページと偶数ページのソーティング(フラットヘッドタイプのみ)

  • おもなポイントを挙げてみたが、わかりにくい点もあると思うので順に説明していく。

    まずいちばんありがちで、かつ致命的なミスなのがダブルフィードだ。
    紙が何枚か同時に吸い込まれると、そのあいだのページはスキャンされることなく処理が終わってしまう。せっかく手間をかけてデータ化したのに、かんじんのページが手元にないと気づいたときの脱力感といったらない。さらに原本を捨ててしまってからこれに気づくと取り返しがつかないこともあり最悪だ。このダブルフィードの回避が、ADF付きスキャナを使うときの最大のポイントになる。

    読みとるのが書籍であれば、カンタンなチェックでこれを避けられる。ページ番号をチェックし、かならず1~50ページとか1~100ページといった単位でスキャンするようにする。そうすれば、読みとり済みのファイルの数とつきあわせることでカンタンにスキャンもれに気づく。
    1枚目から1ページがはじまらなかったり、後ろの方でページ番号がない場合は、そこだけを取りわけて手で数えてからスキャンする。そうすることで、ページ番号のふってある大半のページを数えなくてもチェックできるようになるからだ。ページ数が表示されてないものの場合、大事な資料であれば、めんどうでもすべて手でかぞえてつきあわせるべきだろう。

    読みとり中にすぐダブルフィードに気づいたなら、そこで中断してそこから再開するのが早い。ただ他のことをしていた場合、どのページが抜けたかをいちいちしらべるよりも、再度50ページなりの束でスキャンした方が早かったりする。そのときはざっと紙束をさばいてみて、製本用のノリや紙の切り落とし不足などでくっついたままのページがないかだけはチェックした方がよい。なんども繰り返し起こるようなら、いちどに読みとる枚数をへらすと解決することがある。

    用紙のセット方向もダブルフィードをふせぐポイントになりうる。書籍によっては、製本するとき紙の裁断がされていない部分がのこっていることがある。ふつうは本の天頂部分からスキャナに読みこませるのだが、その部分が裁断によって切りそろえられていないと、給紙に失敗してダブルフィードをおこす率がはね上がる。いくらADFといえどもダブルフィードが起こったら手作業で対応しなければならず、スキャンにかかる時間が一気にふえてしまう。

    これを回避するためには、用紙が切りそろえられた方向から読みとらせておき、のちほど画像処理ソフトで一括で回転させるのがよい。
    またA5以下の紙(たとえば文庫本)などなら、辺が長いほうから読み取らせる(90度かたむける)ことで読みとり距離がみじかくなり、スキャンにかかる時間も節約できる。画像を回転させるためのにすこしばかり後処理の手間がかかるが、これは紙のスキャンとちがって失敗することがないので安心してパソコンにやらせておける。

    保存ファイル形式と画質の設定は、どういった用途を想定するかにもよる。
    画像として人間の目で見るだけなら150dpiのJPEGでも充分すぎるくらいだが、いくらかでもOCRをかけるつもりがあれば可能なかぎりの高解像度、かつ圧縮率を下げて(可能なら無圧縮)取りこむべきだ。200dpiと300dpi、300dpiと400dpiでは認識率がかなり違う。解像度を下げても10分やそこらしか節約できないが、非常に手間のかかる認識ミス修正がラクになるなら安いものだ。これは今後のOCR編でくわしく述べる。
    わたしとしては、いますぐOCRをするつもりがないとしても、あとでつぶしがきく最高解像度にしておくことをすすめる。大きすぎるぶんには小さくしようもあるが、あらい画像はもういちどスキャンしなおす以外の対策がないからだ。

    fi-4110EOX3やその同型機に特有なのが、縦線ノイズ発生と用紙サイズ検出ミスだ。紙のほうを移動させる構造のため、読みとり部にゴミがつくとそれが画像の上から下までずっとノイズとして読みとられてしまい、結果として縦線状のノイズが発生する。また、この方式では紙の切れ目を判定してページ分けする必要があるため、変形版だったり余白が多かったりすると判定に失敗してページの真ん中しか読み取らなかったり、ぎゃくに用紙のない部分まで余白として読み取ったりしてしまう。

    これは読みとりがすんだらかならず何枚か内容をチェックして、こういった現象が起こっていないか確認するほかない。異常に気づいたら、ゴミを取りのぞくなり用紙サイズを手動で固定するなどして対応する。
    この2点はfi-4110EOX3やその同タイプの弱点だ。とくに縦線ノイズは画像中心の本においては迷惑きわまりなく、おもにそういった書籍を取り込もうとしているなら注意が必要だ。

    奇数ページと偶数ページのソーティングは、ADF付きフラットヘッドタイプで両面印刷モノを取りこんだときだけの問題となる。
    片面だけしか読みとれないのだから奇数ページと偶数ページの2回にわけて取りこむ必要があるのだが、この画像たちをページ順と同じように並べるためには、交互に並ぶようにリネームするなど何かしらの処理をする必要があるのだ。

    わたしがこのタイプのスキャナを本格的に使ったことがないため、こういう処理をするソフトが一般にあるかどうかマジメに探したことはない。ひょっとしたらあるかもしれない。ただ、それほど難しい内容ではないので、プログラム、スクリプト、あるいはマクロなどが組める人ならば、ちょっと手間をかけるだけで対応できるだろう。
    それよりも、スキャンの回数が単純に2倍になってしまうほうがよっぽど問題ともいえる。時間が2倍かかるし、ダブルフィードなどの問題がおこる可能性も高くなる。それだけ人手がかかるということだからだ。


    代表的な点にしぼったつもりだが、けっこうな長文になってしまった。こうして順に書きあげていくことで、単純作業であるスキャニングではあるが、わりと省力化のノウハウがあることに気づかされた。まあ、実作業を何度がおこなえば誰でも気づくことばかりだが。

    これらのスキャニング作業にかかる時間は、わたしがいま使っているfi-4110EOX2(現行機の1つ古い型だが同じハードで添付ソフトのバージョンが違うだけ)で300dpiのJPEG(圧縮率最低)として処理した場合、A4サイズ100ページ(50枚)あたり10~15分ぐらいのペースとなる。用紙トレイにセットできるのがちょうどそのぐらいなので、スキャナとパソコンががんばっているあいだは別のことをしていてもよい。

    はじめて本をスキャンしようとしたときのことはいまでも覚えている。製本されたままの本を1ページずつ開いてはフラットヘッドスキャナにセットして読み取る、という行為をただひたすら繰り返した。スキャナが安物のせいもあったが、1時間かかって50ページも取りこめなかった。背表紙にちかい部分の画像はゆがんだりボケたりで、ページが飛んでいたり同じページが2度出てきたりした。結果としてまったく使いものにならず、労多くして益少なしとはまさにこのことだった。

    わたしと似たような体験をされた方もいるかもしれないが、本を解体し、オートシートフィーダ付きのスキャナ、とくにfi-4110EOXタイプを使うという手法ならば、同じことがウソのようにカンタンになる。
    本のデジタル化に興味のある方は、ぜひいちどこのタイプのスキャナの実物を、店頭などでごらんになることをおすすめする。これがパソコンの用途・能力をあたらしい分野に拡大するためのオプション製品なのだと納得できるはずだ。

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    2004.01.22

    デジタルブック先取り計画:書籍解体編

    デジタルブック先取り計画の概論編でのべたように、本をラクにスキャンするためには、まずは紙の束にまで解体する必要がある。こうしてしまえば、スキャンをオートシートフィーダのあるスキャナでまとめて片づけることができるからだ。
    はじめに、この作業で大きな役割をはたす裁断機について見てゆく。

    裁断機とはこんなやつだと思っていた。しかしいまは、よりすすんだディスクカッターというタイプのものが主流らしい。
    これは、簡単・正確・安全と3拍子そろった、とても洗練された文具だ。使い方もカンタンで、紙束をセットして、紙押さえ兼カッターレールで固定し、カッター部を何度か上下に滑らすだけ。わたしが使っているのはDC-210という機種なのだが、これは40枚ほどをいちどにカットできる。

    とはいっても、40ページ未満の本などめったにない。このディスクカッターをつかうという前提で、本のほうを解体する必要がある。その手順は次のとおり。

    (1)本体から表紙を剥がす

    表紙・裏表紙を大きく開き、のり付けされている背表紙部分を気をつけてゆっくり剥がす。
    背表紙の裏の部分の紙がいくらか本体側にのこってしまうが、慣れればほとんど無傷で剥がすことができるはずだ。


    (2)裁断できる枚数ごとにまとめて裂く

    ページを破かないように数十枚単位で、背表紙ののり付け部分からちぎるようにして引き裂く。
    枚数があまり少ないと紙に力がかかりすてさけることがあるし、多すぎると引き裂きにくい。紙質にもよるが、30~50枚ていどで裁断に都合のよいぐらいの枚数にするのがよい。


    (3)裂きおわったページの背表紙側の、のり付けされている部分を切り落とす

    裂きおわると小冊子のようになるが、背表紙側はのりで張り付いたままだ。この部分をざっくり切り落とす。
    ページ間にのりが入りこんでいるので、これがのこらないようすこしよぶんに、といっても本文まで切らないように注意する。のりが残ると、オートシートフィーダで読み込むときに複数ページを一緒にすいこんだりジャムったりしてしまう。
    またこのとき、まっすぐ切るのはもちろん各ページの幅がおなじになるように気をつけること。スキャンの時に斜めにすいこんでしまい、読み取りデータがかたむく原因となる。


    説明は長いが手順は3つだけで、すぐに慣れるかんたんな作業だ。
    はじめて本の解体に取り組んだときは、半日もかかりふちがボロボロの紙束をつくるという悲惨な結果だった。いまでは道具と手順がととったので、5~10分ほどできれいな紙束ができあがる。


    さいごに、心理的な問題についてふれる。
    本には多かれ少なかれ「気持ちがこもる」ものだ。だから、その本のカタチをこわしてしまうことには心理的なためらいがわきおこるだろう。

    はじめて本を解体することにしたときは、わりと思い入れが薄くて、もういちど入手できそうなものを選んだ。しかしそれでももったいないとか、せっかく製本されているのに申し訳ないとか、ちょっとうしろめたさを感じたのが正直なところだ。

    しかし、自宅の本棚に置きっぱなしでホコリをかぶらせているのが、本を活かしていることになるのか。
    たとえ電子本というデジタルデータにカタチは変わったとしても、いつでも持ちあるいて必要なときに利用できるようにしたほうが、本のほんらいの目的をよりよく満たしているはずだ。そのように考えることにしている。

    とはいっても、いまでも本を解体する前や、取りこみ終わって古紙ゴミに出すとき、心がちょっと痛む。人間の意識や価値観はなかなか変えられないものだと思う。

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    2004.01.19

    デジタルブック先取り計画:概論編

    電子本は何冊もっていてもかさばらないので、モバイル向けといえる。しかし読みたい本・使える本がなかったら役にたたない。これを自分自身でなんとかしてしまおうというのが、「デジタルブック先取り計画」だ。
    まずは、本をデジタル化するための方法論をしめす。

    本をデジタルデータにするためには、画像としてスキャンし、それをそのまま読むかOCRしてテキストに落とすのが王道だ。

    しかし1ページづつ手めくりしてはスキャンしていたのでは、時間がかかりすぎてやってられない。現実的な時間で取りこむには、オートシートフィーダ(自動紙送り機能)のあるスキャナを使うしかない。しかし、あたりまえのことだが、本は装丁されているから自動紙送りなどできるわけがない。
    そこで、ここでは「本を解体して紙の束にしてしまう」ことにする。この乱暴な割り切りによって、取り込み作業は画期的にラクになる。

    本をバラバラに割いた経験のある人はそんなに多くないだろうが、やってみるとこれもけっこうやっかいな作業だ。手でちぎるなんて論外だし、ハサミやカッターを使ってもなかなかはかどらない。
    ここは、紙を裁つための専門の道具をつかうことで切り抜ける。世の中には、数十枚の紙束をほんの何回かなでるだけで裁ちきってしまうすばらしい裁断機があるのだ。

    きれいに切りそろえた全ページをスキャナで取り込んだら、いよいよ画像として見ることができるようになる。このときハード・ソフトそれぞれのビューアが大事な要素になる。

    しかし画像のままでは、人間の目で見ることはできても検索することができない。画像を文字に落とし込むために、OCR(光学文字読み取り)処理をおこなう必要がある。
    そうしてできあがったテキストだが、これも快適に読むためにはビューアがいる。あるいは、専用のビューアを使うために独自形式に変換しなければならないかもしれない。

    これらの方法論を確立してからは、200~300ページていどの本なら30分ほどでパソコンに画像として取り込めるようになった。1000ページちかい本でも、よっぽど条件が悪くなければ1時間ほどでなんとかなる。
    いちど画像にしてしまえば持ちはこびには困らないし、OCRは空き時間に順次すすめることができるから、とりあえず突っ込んでおくということができるようになった。

    これらの手順について、これから何回かに分けて書きしるしていくつもりだ。

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    2004.01.15

    つるしポケピ脱出計画:スケジューラ&Outlook編

    ポケピのPIMといえば、Pocket Outlookとよばれる予定表やアドレスやToDoになる。しかしこれらの評判というのはすこぶるよろしくない。
    それに対して、Pocket Outlookの置きかえアプリとしてはもはや代表選手ともいえるシェアウェア、さいすけの評判は高い。

    もはや語るべきこともないが、個人的なお気に入りポイントをあげておく。

  • アウトルックとの完全データ互換

  • 文字入力以外はすべてキーオペレーションで操作可能

  • 一瞥するだけで予定が一望できる月間表示。クリアタイプ表示のSHフォントの8ptなら1日3~4項目が表示できる

  • 気になる点として、動作が少し重め。これが高速であればもう文句なしだった。

  • パームなどにくらべ「PIMはイマイチ」といわれつづけたポケピだが、このソフトの登場によって遜色ないレベルとなった。時期的には初代iPAQと同じころで、「大きい・遅い」と酷評されていたハードやOSの改良が進んだおかげで、ポケピの株が大きくあがった時期でもあった。
    以前にわたしはPIMはパーム、その他はポケピというかたちの併用をしていた時期があった。それをポケピに一本化しようと決心させたのもこのソフトだった。パームのPIMデータもIntelliSyncをつかってパソコン用のアウトルックに接続していたし、移行はそれほど難しいことではなかった。

    ところが、このパソコン側のアウトルックも評判がよくない。しかしポケピを使う以上はほとんど選択の余地がなく、しかたなく使っているという声ばかりが聞こえる。
    じつは、このアウトルックにも「置きかえアプリ」がある。それがAgendus for Windowsだ。

    これは本来、パーム用のPIMソフトであるアジェンダスのウィンドウズ版だ。しかし、データをアウトルックに接続して使っているユーザーのために、PIMデータのソースとしてアウトルックのデータベースを使える。要するに、アウトルックのかわりとして動くのだ。

    アプリケーションのできばえはそれほどよいわけではなく、アジェンダス独自の機能をのぞけばPalm DesktopとアウトルックのPIM部分の合いの子のような感じ。しかし、アウトルックのようによけいな機能やメニューがないだけ軽快にうごくので、わたしにとってはそれだけでじゅうぶん価値があるソフトだ。

    このように置きかえアプリが重宝され、なにかと疎まれるアウトルックだが、そのデータベースの方はそうではない。PIMソフトのほかにケータイの番号管理ソフトや年賀状ソフトなども連携するので、データ交換の接続点としてひじょうに重宝する。

    アウトルックの真価は、"事実上の標準"という立場を活かしたPIMデータベースにこそあるのだ。

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    2004.01.12

    つるしポケピ脱出計画:タスク管理/ランチャ編

    ポケットPCがウィンドウズに似ているのは見た目だけだ。操作法や設計の考え方がずいぶんちがって、かえって扱いづらい。
    けれど、このSmallMenu Plusというシェアウェア(「Plus」なしのSmallMenuというフリーウェア版もある)を使えば、だいぶマシになる。

    SmallMenu Plusのすぐれている点はつぎのとおり。

    • 階層表示に対応していて、起動したいプログラムを直接メニューからえらべる
    • メニューからタスク管理ができる
      • 起動中プログラムを一覧することができる
      • 実行プログラムの切り替えができる
      • プログラムの終了ができる
    • 上記をキーだけで操作できる
    • メニューの内容や表示項目をカスタマイズできる

    もちろん、ポケピの使い勝手がデスクトップ用のウィンドウズとちがうのは、それなりの理由がある。PDAはひんぱんに電源をオン・オフするから、そのとき余計なことを考えなくてもいいように、プログラムの起動と終了をなるべく自動でおこなうようにしているのだ。
    この考え方自体はすばらしいのだが、じっさいの問題としてうまく機能しているかというと、そうとはいえない。動画再生やWebブラウズやゲームなどちょっと重い処理をはじめるとリソース配分がうまくいかなくなって、動きがぎこちなくなる。けっきょく、手動でほかのプログラムを終わらせるはめになったり、へたするとハングアップしてリセットするしかなくなったりする。

    しかも、ソフトのほうはパソコン用っぽい発想のものが多くて、プログラムを切り替えたときではなく終了したときにしか保存しないものがほとんどだ。そのためリセットすると作業中のデータがきえてしまう。
    リセットしまくり、データ飛びまくりというこの状況は、かつてのウィンドウズ3.1や95、98時代のいやな記憶をおもいださせる。スタートメニューはぱっと見た目こそ95などと同じだが、プログラム起動は3.1のプログラムマネージャとおなじレベルに退化してしまった。

    けっきょくいまのポケピをなんとか快適に使うには、使うひと自身がこまかいタスク管理をするしかないのだが、そのための機能がポケピにはかけている。まったくできないわけではないが、ものすごく使いづらい。そういう発想でつくられていないから当然なのだが、それでは実際につかう私たちがこまる。
    そこでタスク管理ができ、スタートメニューにかわるプログラムランチャーとしてもはたらき、なおかつキー操作だけであつかえるSmallMenu Plusのようなソフトが必要になってくるわけだ。

    わたしの場合、このSmallMenu Plusを左下のアプリケーションボタンに割り当てている。いつもPDAを左手で持つので、ここだと押しやすいからだ。するとブンコビューアのように片手で扱えるアプリであれば、PDAを取り出し電源オンからアプリ起動、操作、電源オフまで、すべて左手だけで片づくことになる。
    ここまでくると、PDAをつかうときに「まずペンを取り出して」という操作がなくなるのでだいぶ取り回しがラクになり、けっこうカスタマイズした気になってくる。

    しかし、この程度の設定は追加ソフトなどを使うまでもなくはじめからできるようにしてほしい。
    そう思うのはわたしだけなのだろうか、いつまでたっても改良される気配すらない。

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    2003.12.24

    つるしポケピ脱出計画:チェックリスト編

    ToDoリストといわれても、あまり使いみちが思いうかばない。では、チェックリストならどうだろうか。
    なにか仕事にとりかかる前に作業をあれこれと書き出しておき、終わったものから横線で消していく、というのは、紙をつかってふつうに行われる作業だ。
    とくに、ちょっと込み入っていたり、確認項目が多かったり、まだ慣れていない仕事では、こうやって仕事のすべてを書き出しておくことで、作業もれをなくすることができる。

    そんなチェックリストをポケピで使えるようにしたのがKMCheckListだ。気に入っている点は次のとおり。

    ・ほとんどの操作(リスト新規作成以外)をキーだけで行える
    ・テンプレートを利用して、同じ内容のチェックリストを再作成できる
    ・テンプレートやチェックリストのデータはテキストやCSV形式で、扱いがカンタン
    ・パソコン版のアプリケーションもある

    全般的にシンプルなソフトだが、これで十分に事足りてしまうのがソフトウェアのおもしろいところだ。単体で使っても役に立つし、ほかのToDoソフトと組み合わせるとさらにいい。

    たとえばポケピ標準ToDoソフトの「仕事」は、アウトルックのそれをそのままポケピに移しただけで、あまりこまかい単位で管理するのにむかない。PDAの画面はせまいので、あまりたくさんの項目が表示できないし、画面の一覧からあふれる量になると、せっかくToDoリストを見ても「見えない」ので、意識にのぼらないのだ。

    1つの仕事は、たいていいくつかのの項目や要件を積み重ねることで完成する。ところが、標準の「仕事」では、そのすすみぐあいを管理できない。
    仕事の単位を大きめにすればするほどそうなるから、「仕事」でToDo管理をしていると、仕事自体は忘れてもチェックできるけど、仕事のすすみぐあいは自分でおぼえている必要がある、ということになってくる。これではせっかくPDAで管理している意味がない。
    だからといって、プロジェクト管理といった大げさな機能まではいらない。そこまでいくと、管理すること自体が仕事の人にはいいが、そうでない人には手間ばかりかかりすぎる。

    そこでKMCheckListを組み合わせてみる。込み入った仕事は、ToDoを入れると同時にチェックリストも作る。終わった項目にチェックを入れていき、全部チェックし終えたらToDo側をチェックする。
    たったこれだけのことで、「仕事のすすみぐあい」の管理ができるようになった。途中で仕事をはなれても、チェックリストさえ見れば、終わったものとのこりの作業がすぐわかるからだ。

    欲をいえば、「仕事」と自動で連携して、ToDo一覧側に「10項目中3個終了」と表示したり、全部チェックし終わったらToDoも自動で完了になる、といった動きをしたらもっといい。しかしMKCheckListはもともとそういう目的のソフトではないし、そもそもはToDoソフト側にこういう機能が欠けているのが問題なのだから。

    こういうところに文句が出なかったり、バージョンが上がってもなんの改良もされないのは、あまりの使えなさに、みんなあきらめてしまったからだろうか。
    それとも、「手帳がわりに使える」という売り文句のためだけの、ファミコンでいうところの「けいさんソフト」のような存在だから、なのだろうか。

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    2003.12.22

    つるしポケピ脱出計画:テキストメモ編

    PDAにはじめから入っているアプリケーションは使いづらい。少なくとも、わたしはそう思っている。
    スケジュールやメモなどはPDAにとっては基本の機能のはずなのだが、ポケットPCでもパームでも、追加や置きかえのソフトを使わないとなんとも使い勝手がよくない。

    ふつうPDAは、「スケジュール管理や住所録管理やメモができて、手帳代わりになりますよ」という売りかたをされている。だったら、そういう用途に向いたちょっと気のきいたソフトが入っていて、あるていどそのままで使えるはずだ。そう期待するのはまちがっているだろうか。

    文句ばかりを言っていてもしかたがない。現実的には、かわりとなるソフトを見つけて使いやすくしていくしかない。ということで、これからポケットPC(略してポケピ)用のものソフトについていろいろと探していくつもりだ。

    まず初回はテキストメモについて。いまはTomboというフリーソフトを使っている。気に入っている点は次のとおり。

  • 方向キーとボタン操作だけでメモを見ることができる

  • メモの検索機能がしっかりしている、正規表現もつかえる

  • データの暗号化ができる、それもオープンソース(GNU)由来のライブラリをつかった、しっかりしたもの

  • シンプルかつ十分なデータ構造(ふつうの階層フォルダ+1メモ1テキストファイルでメモデータを保存)

  • パソコンとの同期ができて、ウィンドウズ用のプログラムもある

  • あたりまえのようなことばかりだが、裏を返せば、これらのほとんどが標準のメモには備わっていないのだ。

    ちょっと補足が必要なのは、パソコンとの同期のところか。これは、標準のスケジュールやメモがアウトルックとやり取りするのとはちがい、たんなるファイルの同期としてあつかわれる。なぜなら、Tomboでつくったメモデータはふつうのフォルダとファイルとして書き込まれるからだ。そしてポケピ版とパソコン版の両方のTomboが、それらをメモデータとして読み書きするしくみになっている。

    だからアウトルックのメモとちがって、エクスプローラなどで移動やコピーの操作ができるし、エディタで書いたメモを入れたり、Tomboで入力したメモをエディタで編集したりすることもカンタンだ。これは、シンプルなデータ構造のメリットでもある。

    Tomboのおかげでポケピをテキストメモ用として使う気になったし、今ではPDAのおもな用途のひとつになっている。

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    2003.12.14

    それが私の使い道:ブンコビューア

    ブンコビューアは、いまこの時点で現実につかえる、電子書籍をよむためのソフトだ。

    現実的、というのは、このブンコビューアとセットになる、シャープがきめた電子本の形式(XMDF形式というらしいが、こむずかしいのでブンコビューア形式と呼ぶことにする)があって、このブンコビューア形式の電子本がそれなりに発行され、手にはいるようになっているからだ。わたしは月に数冊~十数冊、金額にして3000円から5000円ていどブンコビューア形式の電子本を買っている。

    それから、このブンコビューアというソフトは、つかえるキカイの種類もいちばん多い。パソコンはもちろん、おもなPDA、そしてケータイでもつかえる。わたしはポケットPCというタイプのPDAで使うことがほとんどだ。ほかの電子本では、対応しているキカイがすくなかったり、キカイがおそかったり画面がせまいと使いものにならなかったり、あるいは専用のハードが必要(Σbook)だったりする。

    それではブンコビューア形式がいちばんすぐれているのかというと、じつはそうではない。ブンコビューアであつかえる電子本は、電子本というコトバからおもうほどベンリではない。検索はこのビューアからしかできないので、わざわざ1冊ずつひらいてから検索しなければならない。引用しようとしても、1度にコピーできるのはなんと10文字にかぎられている。ヘタすると本の題名や著者の名前すらコピーできず、まったくもって役にたたない。

    文句をいいはじめたら切りがないのでこのへんでやめておくが、電子本を読むほうからすればけっして満足できるできばえではない。それでもわたしがブンコビューア形式の電子本を買っているのは、いまこのときに"使える"からだ。そして、「電子本の今後のご発展を祈念したおさいせん」のつもりでもある。

    なぜって、何かにお金を使うことは、選挙に行くことなんかよりも、よっぽど直接的で意味のある投票行為だから。

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